みなさん、こんにちは。
「北大江たそがれコンサートweek2012」の「北大江公園野外コンサート」に行ってまいりました!
今回はレポート担当Sがお届けいたします。
ひとことで言うと、上品。
もう少し言葉を足すなら、上品なのに、気さくで親しみやすい。
夜の公園で開かれたコンサートは、音響も出演者さんも一流でしたが、
どなたも一緒になって楽しめるあたたかい雰囲気がありました。
女性4人で構成されるトランペットカルテット「キャトルフィーユ」のみなさん。
いやぁ、トランペットの音が、聞き慣れたジャズトランペットとあまりに違うので、驚いてしまいました。
クラシックを土台に、トランペットをきちんと学んでこられた人だ、ということが素人にもわかる音でしたねぇ。
まず、音の立ち上がりがやわらかい。
自然に発生した音が、すぅっと伸びて、4管がとけあっていく。
気持ちがいいもんです。
考えてみれば同じ歌い手さんでも、オペラ歌手とジャズシンガーでは、声質も歌い方も全然違います。
トランペットにもいろんな吹き方があるんですね。
「キャトルフィーユ」は、フランス語で「四つ葉のクローバー」という意味。
音楽で幸せを届けたいという気持ちが込められたバンド名だそうです。
「ワルツ・フォー・デビー」や「L-O-V-E」といったジャズナンバーのほか、歌謡曲なんかも演奏されていました。
やっぱりおなじみの曲は、拍手も大きいですね。
そしてこちらは、ハープのデュオ。
ハープの演奏を生で、しかも2台も見るのは初めてでしたが、本当に優美な楽器です。
2台が向かい合うと、蝶みたいだなぁ。
ハープの音は、思ったよりも素朴でした。
個人的には、楽器界の貴族のようなイメージだったハープですが、とてもあたたかい、まるっこい音で、体にしみいりました。
途中、フルートも加わってサン・サーンスの「白鳥」が披露されました。
普段は、クラシックの、ハープのために書かれた曲を演奏されたり、専門的で難しいことをされている奏者さんだと思うんですが、この野外コンサートでは「ドナウ河のさざなみ」などの有名曲を取り入れた聞きやすい構成でした。
いろんな人に楽しんでほしい、というお気持ちが伝わってきます。
ちなみに、ハープは大変繊細で外気に弱いそうで、演奏が終わったらただちに撤収!
なにしろ夜なもので写真がぶれてしまっているのですが、おわかりいただけますでしょうか。
普段見られない撤収の風景を激写!
帰っていくハープ。おつかれさまです〜。
ここで会場に少し目を向けてみますと、
ステージ前の芝生にはシートが敷かれてくつろげるスペースとなっており、
その後ろには椅子が用意されていました。
こうした会場設営は募金によってまかなわれているとのこと。
演奏は無料で聞けるんですもの、
私も募金に協力させてもらいましたよ!
椅子はほぼ満席。
立ち見の人もたくさんいらっしゃいました。
芝生シート席は、子どもさんづれが多かったです。
野外だし、スピーカーからの音も結構しっかり聞こえるため、
子どもさんがちょっと飽きちゃって、ごろごろ〜っと転がって遊んだりしても平気。
ファミリーにもおすすめしたいコンサートだなぁと思いましたよ。
そして個人的に、いつまででも聞いていたいと思ったライブがこちら。
アコーディオンと、ベースのデュオ「POPOGI」。
まず楽器がおもしろい!
アコーディオンは、これも実物は初めて見ましたがボタン式でした。
右手も左手もボタン、鍵盤なしという不思議な見た目。
どうやら右手のボタンは単音、左手のボタンはコード伴奏ができるみたいです。
しかも、蛇腹の伸び縮みで音の強弱が表現されている。
なんて忙しい楽器でしょう。
とても難しそうですが、自由自在にあやつって演奏されている姿に見とれてしまいました。
そしてベースは5弦のツインネック!
こんなベースを見るのは初めてです。
なんだか今日は、初めて見る楽器が多いです。
上のネックは高い音、下は低い音が出るようにできているようで、表現の幅がとても広い!
アコーディオンを支える役に徹したり、ときには前に出て高らかに歌ったりと、なんでもこいのベースでした。
どの曲も素敵でしたが、個人的には、アコーディオンの音色には少し哀愁を帯びたコードが似合うような気がします。
それに、なんといっても少し速めの3拍子!
アコーディオンの左手ボタンで表現される、独特の揺れのあるワルツはものすごく心地よかったです。
あっという間に時間はすぎて、最後のプログラム、「Caol Ila」のアイリッシュライブが始まりました。
バイオリンの音は、人の声そのものですね。
というと変ですが、言葉がないだけで、私には声のように聞こえました。
一曲ごとにストーリーがあるとでもいいましょうか。
お芝居や朗読劇に通じるような、情感豊かなステージに、会場がひきこまれていきます。
「My Favorite Things」はジャズにかぎらず、いろんなジャンルのライブでよく演奏される曲ですが、バイオリンとギターで演奏されるとまた全然違った雰囲気になって新鮮でした。
もちろん、拍手喝采です。
音楽は一流なのに、MCではお話上手というギャップのあるお二人。
「僕ら、45分のライブを90分間もやったことがあるんです。90分のほとんどはしゃべり(笑)」
とのことで、
「だから今日はしゃべりません」
と宣言されていましたが、音楽中心になってうれしいような、おしゃべりが聞けなくて残念なような(笑)。
こうして情熱的なアイリッシュライブにて、「北大江公園野外コンサート」は閉幕。
司会進行の方もおっしゃっていましたが、会場になった北大江公園は、今でこそ、昼間はランチを食べる人の姿も見られる憩いの場ですが、数年前は木が生い茂って暗く、夜、女性が一人で通るのは少々怖いと感じる場所だったそうです。
コンサートの継続開催で公園が変わった、みんなの力で変わった。
まちの人はそんなことを実感しながら、
そして、まちの外から来た人は北大江地区の良さを発見しながら、
思い思いに音楽を楽しんだ、秋の夜となりました。
<おまけ>
以前、当ブログでご紹介した「マルゼンボタンギャラリー」(過去記事はこちら)では、「北大江たそがれコンサートweek2012」にあわせた展示が行われていました。
北大江地区にある楽器工房・楽器商の紹介コーナー。
楽器がある空間って、絵になりますねぇ。
(取材/レポート担当S)
今回の記事のDATA
北大江たそがれコンサートweek2012
北大江公園野外コンサート
開催日/10月19日(金)
場所/北大江公園芝生広場
メモ/10月14日〜20日に開催された「北大江たそがれコンサートweek2012」のなかでも人気の野外コンサート。
ハープやボタン式アコーディオンなど普段見る機会の少ない楽器も登場しました。
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